簡単説明: 暖冷房の性能は近年オール電化住宅が多くなり、これら暖冷房機器の電力測定で知ることができます。
旧型と新型エアコンの電気代比較も一例です。
高気密高断熱住宅の場合、非暖房室の結露を防ぐために、全室暖房が基本です。そのため、住宅が不十分な断熱性能の場合、全室暖房すると、個別暖房よりも暖房費がかかる可能性があります。高気密高断熱住宅を建てる場合には、住宅の断熱、気密、換気、暖冷房のバランスを考慮し、計画することが重要です。
「省エネルギー基準」の「熱損失係数(Q値)」「日射取得係数(μ値)」を計算することで、簡易的に住宅の熱的性能を判断することができます。◎高気密高断熱住宅における暖冷房 「高断熱はわかるが、なぜ高気密が必要なのかわからない」という意見がよく聞かれます。また、「高気密にすると息苦しいのではないか」「高気密をすると強制換気をしなければならないので、設備費や電気代がよけいにかかる」という意見もよく聞かれます。
では、なぜ高気密が必要なのでしょうか?全室暖房 非暖房室と暖房室に温度差があった場合、サーマルショックが人体に悪影響を及ぼす可能性があります。また、住宅内で温度が低い部屋があった場合、結露が発生する可能性があり、カビの発生や木材の腐朽の原因になりますので、人体にも住宅にも悪影響を及ぼします。そのため、高気密高断熱住宅では、熱的境界内はすべて暖房することになります。 24時間暖冷房 従来は間欠暖冷房が行われてきましたが、高気密高断熱住宅の場合、間欠暖冷房よりも連続暖冷房の方が、暖冷房費がかからないといわれています。特に熱容量のある住宅(コンクリートやブロック造、外断熱、土間床など)では、住宅内の温度変化が少なくなるので、24時間暖冷房が効果的です。また、24時間暖冷房をすることで、負荷が少なくなるため、暖冷房機器の設備容量を少なくすることができ、設備費を安くすることができます。 開放的な間取り 全室、24時間暖冷房を行う場合、できるだけ開放的な間取りにし、住宅内に効率よく熱が循環するようにすることが重要です。非暖冷房室がある場合は、ドアを開けて、できるだけ住宅内が同一の温度になるようにする必要があります。 暖冷房機器の設備容量 高気密高断熱住宅は、従来の住宅に比べて暖冷房負荷がかからないため、暖冷房機器の設備容量は少なくすみます。住宅の性能と地域の気象にあった設備容量にするために、あらかじめ計算で設備容量を求めることが重要です。もし、不適切な設備容量の機器を使用した場合、暖冷房機器の効率が悪く、住宅内の温度を適切に保つことが難しくなります。 暖房機を設置する位置 高気密高断熱住宅といえども、冷たい空気は吸気口や窓から入ってきます。冷たい空気はコールドドラフトとなり、人が冷気を感じることがあります。暖房機の種類にもよりますが、特に温水暖房システムなどの温風を伴わない暖房機の場合は、窓や吸気口の下に暖房機を置きコールドドラフトを防ぐことが重要になります。 窓からの日射 暖房時には窓からの日射をできるだけ取り入れ、冷房時には窓からの日射をできるだけ遮ることで、暖冷房費を大幅に節約することができます。特に高気密高断熱住宅は、住宅内の熱が逃げづらいのが特徴のため、夏に日射が入ってしまった場合、従来の住宅よりも冷房費がかかる場合があるので注意が必要です。冷房に対しては、外で日射を遮ることが大切で、庇などを利用することで日射を制御できます。庇の効果は、住宅がある場所の緯度・経度がわかれば、計算することができます。 ◎性能の判断方法 冷暖房性能を判断するための方法としては、暖冷房機器の電力や灯油消費量などを実際に測定する方法があります。
測定するセンサーを用意し、そのセンサーをデータロガーにつなげてデータ測定し、そのデータをコンピュータに取り込んで、データ処理します。
このように測定することで、住宅の暖冷房費を知る事ができます。また、日射が多いとき、風が強いときなど、四季の気象条件による、使用量の変化を知ることができます。
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