計画換気、換気を測定する 換気測定器
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換気について 簡単説明: 通常換気とは窓を開ける行為(外気の導入)です。
住宅では24時間換気装置がこの役目を果たします。


2003年から建築基準法が改正になり、基本的に住宅には換気システムの設置が義務化されました。そのため、建築基準法改正後に建てられた住宅には通常機械換気が取り付けられていて、24時間換気を行っています。
しかし、この設置された換気システムは、正しく動作しているのでしょうか?

換気システムが正しく動いていない

高いお金をかけて換気システムを設置し、電気代をかけて換気システムを回しても、もしかすると換気システムが正しく動作していないかもしれません。なぜこのようなことが起こるのでしょうか?
  • 正しく設計していない
  • 正しく動作しているかを確認していない
  • 正しく調整されていない
  • 正しく使用していない
機械換気は以前から使われていましたが、義務化されてから日が浅いため、まだまだ換気システムについて正しい知識を持っている人は少ないようです。
そのため、施工性や価格を重視して、設計を正しく行わずに換気システムを選択している場合があります。また、換気システムはまったく同じものでも、設置する住宅によって換気量が変わりますが、施工後正しい換気量が出ているかを確認していない場合も多いようです。

換気システムが正しく動作していないとどのような問題があるのでしょうか?
 
◎換気システムの問題点
換気量の不足
換気システムはファンを回すと空気が流れますが、空気が流れる場所には様々な抵抗が生じます。たとえば、細い管は太い管よりも抵抗が大きくなります。また、給排気口の開口面積が小さい場合や、分岐がある場合も抵抗が大きくなります。抵抗が大きいと、ファンをいくら回しても一定以上の空気は流れなくなります。

たとえば、水鉄砲で考えてみましょう。
水の出る穴が大きければ、押す力が強ければ強いほど水は勢いよく飛び出します。しかし、水の出る穴が針ほどの穴であれば、いくら押す力を強くしても一定以上の水は出なくなります。これは穴が小さいために抵抗が大きくなるためです。


これは換気システムでも同様です。
ファンを回しても、抵抗が大きければ一定以上の空気は流れなくなります。換気システムは意外に抵抗が大きく、換気量が足りない住宅も多いようです。

換気量が少ないとどのような問題があるのでしょう。
換気量が足りないと、汚染された空気が外に排出されず、新鮮な空気が入ってこなくなります。そのため、有害物質濃度が高くなったり、粉塵が多くなったりするため、室内の空気が汚れてしまい、人に悪影響を及ぼします。
  
換気量が多すぎ
換気量が多すぎると、せっかく暖房で暖めた空気や、冷房で冷やした空気を無駄に外に逃がしてしまいます。これではいくらお金をかけて断熱材を入れても意味がありません。
古い住宅は隙間が多かったので換気システムは必要ありませんでしたが、換気量をコントロールすることができないため、一般的には換気量過多の状態でした。また、隙間の多い住宅は、風や温度差の影響が大きく、風が強い日や冬などの内外温度差が大きいときには、換気量が過剰になります。

換気システムが義務づけられるようになってからは、基本的に換気は換気システムを通して行われています。しかし、低気密住宅の場合は、換気システムだけでなく隙間からの換気(漏気)も多いため、換気量が正しくコントロールすることができません。
 
ランニングコストがかかる
基本的に換気システムは、電気代がかからず、常に設計通りの換気量が出ていて、メンテナンスが必要なく、壊れづらいのが理想です。日本の場合は他の国に比べて電気代が高いので、電気代がかからない換気システムを選ぶのは重要です。
最近はモーターなどの改良により、ファンの効率は良くなってきています。ただしすべてのファンに高効率のものを使用しているわけではないので、換気システムを選ぶときにはどのくらい電気代がかかるかを把握しておいた方がいいでしょう。特に熱回収型の換気システムは、排気と給気に二つのファンを回すものが多いので、どのくらい電気代がかかるかに注意が必要です。
また、最近は各部屋にプロペラファンをつけるノンダクトの換気システムを使用している場合もありますが、これらは設置するファン数が多いため、ファンにかかる電気代に注意に注意が必要です。
 
メンテナンスが必要
換気システムは、定期的なメンテナンスが必要です。
特に熱交換型の換気システムや、花粉症対策などのフィルタが入っている換気システムの場合、給気側のフィルタが汚れると目詰まりを起こし換気不足になりますので、定期的にフィルタを掃除する必要があります。また、ファンにも汚れがたまりますので、一年に一回程度の掃除が必要です。
ファンには寿命がありますので、ファンを交換するための点検口や、作業するスペースも必要になります。
 
騒音
換気システムはファンを回すため、そのファンの音が問題になる場合があります。また、正しく設計されていない換気システムは、給排気口で風切り音がしたり、他の部屋の音がダクトを通して聞こえたりすることがあります。各部屋にプロペラファンをつけている場合は、人のいる近くでファンが回っていますので、その音にも注意が必要です。
換気システムは、音も考慮して設計し、適切な換気システムを設置する必要があります。
 
これらの問題を解決するためにはどうしたらいいのでしょう?
 
◎正しい設計をする
換気システムは単にファンの能力だけで選択することはできません。
換気の経路ごとに「圧力損失」を計算し、できるだけ圧力損失が低くなるように設計しなければなりません。また、その圧力損失から適切なファンを選択し、必要な換気量が得られるように設計しなければなりません。

圧力損失は換気メーカー側で計算してくれる場合もあるようですが、計算自体はそれほど難しくはありません。
使用する給排気口のグリルや分岐など、設備によって風量による圧力損失が決まっていますので、メーカーが用意しているP-Qグラフ(圧力と通気量の関係グラフ)を使用して圧力損失を求めます。ダクトの場合は長さと直径によって圧力損失が変わってきますので、長さ・直径と摩擦係数から計算して求めます。これらを一つの経路について合計していけば、その経路の圧力損失となります。
計算した圧力損失の中で最大のものを使用し、その圧力損失と住宅に必要な換気量からファンを選択します。
 
◎施工後確認する
一般的に販売されているほとんどの商品は、商品が完成したら必ずその品質をチェックしています。しかし、住宅は一生の中で一番高い買い物でありながら、完成後のチェックはあまり行われていません。
昔は住宅の構造がシンプルだったため、寸法などの見える範囲をチェックすれば良かったのですが、近年では設備も複雑化し、住宅に求められるものを多様化していますので、目に見える部分だけでは不十分です。そのため、施工後のチェックは非常に重要です。ただし、残念ながら住宅の場合、完成品を壊してチェックすることはできませんので、チェックできる項目は限られてしまいます。

換気システムは施工後正しく動作しているかをチェックすることができる項目の一つです。
 
風量測定
風量測定は、換気システムが設計通りの風量になっているかを確認するために行います。
換気システムは、設置するときにダクトが曲がったり、つぶれたり、設計位置からずれたりして、通常設計通りの風量にはなりません。また、風向き、換気システムの分岐、住宅の気密性能などの影響を受けるため、同じシステムでも換気量が同じにはなりません。
そのため、換気システム設置後は風量測定器を使用して各経路の風量を確認する必要があります。また、給排気口の開口面積やファンの調整をするためにも風量測定器は必要です。
 
換気量測定
風量測定は換気システムが正しく動作しているかを確認するために使用しますが、隙間から抜けていく換気量を把握することができません。
住宅全体の換気量を測定する場合は、トレーサーガスを使用した換気量測定を行う必要があります。トレーサーガスを使用した換気量測定にはいくつかの方法がありますが、通常は入手しやすい二酸化炭素を使用し、これを住宅内に充満させて、ガスの放出量と濃度の変化から換気量を求めます。
 
二酸化炭素濃度測定
人が生活していれば、必ず酸素を吸って二酸化炭素を排出します。そのため換気が足りなくなると、二酸化炭素濃度が高くなります。建築基準法やビル衛生管理法などでは二酸化炭素濃度が1000ppm以下と規定されています。
二酸化炭素濃度は、二酸化炭素濃度測定器で測定します。
 
換気システムを正しく設置できればこれで問題はすべて解決でしょうか?
 
◎正しく使用する
換気システムを使用するのはビルダーではなく、その住宅に住む人です。そのため、換気システムの使用方法を説明し、正しく使用してもらうようにしなければなりません。
では、使用上の注意点にはどのようなものがあるでしょうか?
  • 基本的に換気システムは停止しない(24時間連続稼働)
  • 人が多いときなど、室内空気が汚れているときには強運転するなどの調整を行う
  • 定期的にフィルタやファンの掃除を行う


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