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環境性能バランス

 健康・快適な住宅とは何でしょうか?
 快適な住宅は、個人の好みによって大きく異なりますが、ここでは環境性能という観点から考えてみます。
 環境性能に係わる条件としては、断熱材の種類と厚さ、断熱工法(充填断熱・外張断熱・複合断熱など)、窓の種類・面積・方位、気密性能、換気量など様々な項目があります。
 これらの環境性能は、バランスが非常に重要です。たとえば、いくら断熱材を厚くしても、すき間だらけ(低気密)であれば熱は逃げてしまいますし、室内で発生した水蒸気が壁の中に入って結露してしまいます。
 このように、一部の性能を高めても、バランスが悪ければ効果が現れないばかりか、弊害になる場合もあります。


環境性能バランス


高断熱
 メリット
  • 熱損失が少なくなる
  • 室内の温度差が小さくなる
  • 壁面温度が上がるため体感温度が高くなる
  • 温度差が少なくなるため押入や収納などが結露しづらくなる
 バランス
  • 断熱材をいくら厚くしても、窓面積が大きければそこから熱が逃げる
  • 断熱性能を高くしても、すき間が多ければそこから熱が逃げる
高気密
 メリット
  • 熱損失が少なくなる
  • 室内の温度差が小さくなる
  • 風や内外温度差の影響が少なくなるため換気量が安定する
  • 外壁や天井などに水蒸気が入りづらくなり内部結露が発生しづらくなる
 バランス
  • 断熱性能を高くしても、すき間が多ければそこから熱が逃げる
  • 風などに頼る自然換気では換気量が足りなくなる場合がある
  • 気密性能が悪いと壁や天井などに室内の水蒸気が侵入し結露する
 
計画換気
 メリット
  • 必要な換気が確保され空気環境がよくなる
  • 風や内外温度差の影響を受けづらい換気が行える
  • 無駄な漏気が少なくなり暖冷房エネルギーが少なくなる
 バランス
  • すき間が大きければ風や内外温度差などに影響され、計画的な換気が行えない
  • 機械換気が正しく設計されていなかったり、正しく設置されていなかったりすると、換気が不足したり過剰になる
  • 換気量が多すぎると無駄に熱が逃げていく
 
暖冷房
 メリット
  • 高効率な機器を設置することで省エネになる
  • 24時間温度をコントロールすることで住宅内の温度差が小さくなる
  • ヒートショック(温度差による体の負担)が少なくなる
 バランス
  • 低気密・低断熱住宅で暖冷房しても無駄にエネルギーを消費する


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